卒園・修了で子どもが「荒れる」のはなぜ?環境の変化で起こる心のメカニズムを言語聴覚士が解説
卒園・修了の時期に、子どもが急に泣く、荒れる、甘えるなど不安定になることはありませんか?環境の変化で起こる心のメカニズムと、ご家庭でできる具体的なサポート方法を言語聴覚士がわかりやすく解説します。
1. はじめに
3月に入り、お子様の様子に変化はありませんか?
「急に泣き出すようになった」「以前はできていたことができなくなった」「園や学校でトラブルが増えた」……。
卒園や修了というおめでたい節目のはずなのに、子どもがいつもと違う。実はこれ、療育の現場ではよく見られるほど、多くのお子様に共通して見られる現象です。
なぜ、この時期の子どもたちは「荒れてしまう」のか。その裏側にある脳と心のメカニズムを解説します。
2. 【原因】脳をパンクさせる「3つの心理的メカニズム」
言語聴覚士の視点から分析すると、お子様の脳内では主に以下の3つの混乱が起きています。
①「予測不能」による脳のオーバーヒート
人は、「次に何が起こるか」が分かるから安心して過ごせます。進級を控えたお子様にとって、4月以降は真っ白な地図。この情報の欠落が、脳にとって大きなストレスとなり、自律神経を乱れさせます。
②悲しみの言語化エラー
「大好きな先生や友達と離れて寂しい」という複雑な感情を、子どもはまだ正確に言語化することが難しいです。感情を処理する右脳がフル活動しているのに、説明する左脳(言語)が追いつかない。この脳のアンバランスが、感情が爆発してしまい、涙することや普段の様子に変化が出てきてしまいます。
③「安全基地」が喪失することへの防衛本能
自分を分かってくれていた場所が変わることは、子どもには死活問題です。わざとその場面とは違った行動をとることで、「自分を見て?」と周囲の愛情を再確認しようとする心理が働きます。
3. 【対策】言語聴覚士が現場で伝えている「心の着地」のさせ方
療育の現場で私たちが実践しているアプローチをご家庭向けにアレンジしました。
①感情を「ラベリング」して代弁する
お子様が怒っているとき、うまく気持ちを表現できないときにはその感情に名前をつけてあげてください。「あー!ってなるのは、先生と離れるのが寂しいからかな?」と実況中継することで、脳は言語化することで少しずつ整理されて気持ちが落ち着けられるようになってきます。
②スキンシップの時間を設ける
「もうすぐ1年生でしょ!」は今は逆効果です。あえて多めに抱っこしたり、食べさせてあげたりしてください。「お家は変わらない安全基地だ」という実感が、新しい環境へ飛び出す勇気に変わります。
③「変わらないもの」を具体的に伝える
「クラスは変わるけど、お家はここだよ」「パパとママは一緒だよ」と、「変わるもの」以上に「変わらないもの」を強調して伝えてあげてください。
4. おわりに
3月の不安な状況は、必ず過ぎ去ります。その過程でお子様が「自分の気持ちを受け止めてもらえた」という経験を持てるかどうかで、4月からの適応力は大きく変わってきます。
もし、「家での対応をどうしたらいいかわからない」「もっとこの子の気持ちを理解してあげたい」と思われたなら、ぜひウォルトのことばアカデミーを頼ってください。
当アカデミーでは、言語聴覚士がお子様の心の声を丁寧に拾い上げ、「自分の気持ちを正しく伝える力」を育てます。オンラインレッスンという「一番安心できる自宅」で受けるからこそ、変化に敏感な今の時期でも、お子様は自分らしさを取り戻すことができます。3月の嵐を、一緒に「成長の糧」に変えていきましょう。