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【9月の終わりに贈る処方箋】「できた」を数えるだけでいい。親子の心を満たす成功体験の見つけ方

「また宿題やらなかった」「また忘れ物した」——できなかったことばかりが目につく毎日に、疲れを感じていませんか?9月の終わりは、大人も子どもも心身の余裕が減り、うまくいっていないことに目が向きやすくなる時期です。言語聴覚士が、特別な工夫をしなくても親子の心が少し軽くなる、「できたことを数える」3つの習慣をお伝えします。

1. はじめに

2学期が始まって1か月ほど経つ9月の終わり、なんとなく親子ともに疲れが溜まってくる時期ではないでしょうか。新しい生活リズムにも慣れてきたはずなのに、「今日も宿題やらなかった」「また忘れ物した」と、できなかったことばかりが目についてしまう、そんな感覚に心当たりのある方も多いと思います。実はこの時期は、特別なことをしなくても、「できたこと」をただ数えるだけで、親子の心が少し軽くなることがあります。今回は、その具体的な方法についてお伝えします。

2. ケース紹介:できなかったことばかり目についていた、そうたくんとの日々

そうたくん(小学2年生)のお母さんは、9月に入ってから、毎日のように「宿題やった?」「連絡帳出した?」と確認に追われていました。できていないことがあるたびに指摘する日々が続き、お母さん自身も、そうたくんも、だんだん表情が硬くなっていくのを感じていました。ある晩、お母さんはふと「今日できたことって何かあったかな」と考えてみました。すると、「自分で起きられた」「妹に絵本を読んであげていた」など、注意はしていなかったけれど確かにできていたことが、いくつも思い浮かびました。指摘することに気を取られている間、できていることのほうには、ほとんど目が向いていなかったことに気づいたそうです。

3. なぜ、9月の終わりは「できなかったこと」ばかり目についてしまうのか

新しい生活リズムに慣れるための頑張りが積み重なる9月は、大人も子どもも、気づかないうちに心身の余裕が減っています。余裕が少ない状態では、脳は本能的に「うまくいっていないこと」に注意を向けやすくなり、結果として「できなかったこと」ばかりが目につきやすくなります。これは特別なことではなく、疲れているときに誰にでも起こりやすい自然な反応です。ただ、この状態が続くと、親子のやり取りが「できていないことの指摘」ばかりになり、子どもの自己肯定感にも、親子関係にも、少しずつ負担がかかっていってしまいます。

4. 「できた」を数える、親子の心を満たす工夫

① 寝る前に「今日できたこと」を1つだけ言い合う
1日を振り返って、良かったことをすべて挙げようとすると、かえって疲れてしまいます。「今日できたことを1つだけ教えて」と、数を絞って聞いてみましょう。1つに絞ることで、無理なく続けられる習慣になります。
② 「できた」を目に見える形で残す
カレンダーにシールを貼る、瓶にビー玉を1つずつ入れるなど、「できた」を目に見える形で積み重ねていく方法もおすすめです。積み重なっていく様子が見えることで、子ども自身も、自分の頑張りを実感しやすくなります。
③ 小さすぎることも、あえて数に入れる
「靴を自分で揃えられた」「お茶碗を運べた」など、当たり前に思えるようなことも、あえて数に入れてみましょう。基準を高く設定しないことが、この習慣を長く続けるコツです。数えるハードルが低いほど、親子ともに気負わずに続けられます。

5. 言語聴覚士の視点から

「できたこと」を言葉にして数える経験は、子ども自身が自分の力に気づくきっかけになるだけでなく、親子の会話の中に、指摘ではなく肯定の言葉を増やすことにもつながります。会話の中で肯定的な言葉を交わす機会が増えることは、子どもが安心して自分のことを話せる土台づくりにも役立ちます。そうたくんの場合も、「できたことを1つ挙げる」という小さな習慣を始めたことで、指摘中心だった親子の会話に、少しずつ穏やかな時間が増えていきました。特別な工夫をしなくても、「数える」という行為そのものが、親子の心を整えてくれることがあります。

6. まとめ

9月の終わりに親子で疲れを感じやすいのは、できなかったことばかりに目が向きやすくなる、自然な反応です。寝る前に1つだけ聞く、目に見える形で残す、小さすぎることもあえて数に入れる、この3つの工夫から、できたことを数える習慣を、親子で始めてみてください。お子さんとの関わり方や、自己肯定感を育む声かけについてもっと詳しく相談したいという方は、ウォルトのことばアカデミーの無料体験オンラインレッスンをぜひご利用ください。お子さん一人ひとりのペースに合わせて、次の一歩を一緒に考えていきます。