【ST向け】支援を待つ子は約67万人、届けられるSTは約4,600人。この差を、私たちはどう埋めるか
担当件数で手一杯で、地域全体のことまで考える余裕がない。出産や子育てを機に現場を離れ、戻れずにいる——そんな先生は少なくありません。あなたの支援を必要としている子どもは、まだたくさんいます。場所や働き方の制約を超えて小児支援に関わる、もう一つの選択肢をご紹介します。
1. はじめに
「小児をやりたくて言語聴覚士になったのに、今の職場では成人領域ばかり」「小児の現場にいても、目の前の担当件数だけで手一杯で、地域全体のことまで考える余裕がない」——そんな感覚を抱えたことのある先生は、少なくないのではないでしょうか。日々の臨床に向き合っていると、自分の担当している子どもたちのことで精一杯になりがちです。しかし少し視野を広げてみると、私たちの目の前にいる子どもたちの向こう側に、支援を受けられずに待っている、もっと多くの子どもたちがいます。今回は、その規模と、私たちがどう向き合っていけるかについてお話しします。
2. 数字が語る、日本の小児言語聴覚療法の現実
まず、現状を数字で見てみましょう。言語聴覚士は全国に約4.1万人(2024年3月時点)いますが、そのうち小児領域で働くSTは約4,600人と、全体の1割程度にとどまります。一方で、学習面や行動面に著しい困難を示す児童は、推計で約67万人にのぼるとされています。他職種と比べても、その少なさは際立っています。理学療法士(PT)約22万人、作業療法士(OT)約11万人。小児STの数は、その規模とは大きくかけ離れています。支援を必要とする子どもの数と、それを担う専門家の数との間には、埋めがたいほどの差があるのが実情です。
3. なぜこのギャップが埋まらないのか
このギャップの背景には、いくつかの構造的な要因が重なっています。小児領域は成人領域に比べて評価や訓練の難易度が高く、経験を積める職場自体が限られています。さらに、小児STの多くが都市部の医療機関や施設に集中しており、地方では「近くに専門家がいない」という理由だけで、必要な支援を受けられない子どもが少なくありません。加えて、出産や子育てを機にブランクができ、現場を離れたまま戻れずにいる先生も多くいます。つまりこの差は、STの努力不足で生まれているのではなく、働き方や地理的な制約という仕組みの問題として存在しているのです。
4. ウォルトのことばアカデミーが目指すこと
支援を必要とする子どもたちと、それを担えるSTの数の差を、今の支援の形のままで埋めることは現実的ではありません。だからこそ、限られたリソースをどう活かすかという視点が重要になります。
ウォルトのことばアカデミーは、オンラインという環境を通じて、この課題に向き合っています。対面での支援を増やすことが難しい先生も、隙間時間に在宅で小児支援に関わることができます。通える範囲に専門家がいない地域の子どもたちにも、画面越しに支援を届けることができます。一人ひとりのSTが関われる子どもの数が増えることで、業界全体の支援の受け皿を少しずつ広げていくことができるのです。
あなたがオンラインという選択肢を持つことは、あなた自身の働き方を広げるだけでなく、支援を待っている子どもたちへの、確かな一手になります。
5. まとめ
支援を必要とする子どもは約67万人、それを担える小児STは約4,600人。この数字の差は、日本の小児言語聴覚療法が抱える根本的な課題です。次回以降のコラムでは、この課題に向き合いながら働く先生方のキャリアや、オンライン療育の実際についても、順番にお伝えしていきます。あなたの支援を待っている子どもたちがいます。詳しくは、ウォルトのことばアカデミー トレーナー募集ページをご覧ください。