自閉症スペクトラム(ASD)
自閉症スペクトラムとは?主な特徴とコミュニケーションのコツ
1. 自閉症スペクトラムとは?
自閉症スペクトラム(ASD)は、脳の働き方の特徴を示す発達障害のひとつです。
ことばの遅れを伴い、知的障害のある自閉症から、知的障害のあるアスペルガー症候群までを同じ病態と捉え、ひとくくりにした自閉性障害の総称です。
コミュニケーション、社会的相互作用、行動において特徴的なパターンが見られます。
自閉症スペクトラムの特性には、ことばの発達遅れ、対人関係や社会的コミュニケーションの困難、興味や行動の偏りが含まれます。
具体的には、他者とのコミュニケーションに困難を感じたり、同じ行動を繰り返すことがあるなど、日常生活や学習に影響を及ぼすことがあります。

2. 自閉症スペクトラムの主な特徴と症状
自閉症スペクトラムの主な特徴としては、以下のような症状が挙げられます
・対人関係や社会的コミュニケーションの困難:相手の気持ちを想像するのが苦手で、共感しづらい面や、表情やしぐさといった言葉以外のコミュニケーションを読み取ることが難しい等の要因で対人関係の難しさが認められます。
・コミュニケーションの困難:言葉の発達が遅れることや、言葉を使う際にパターンが決まっている、たとえ話を本当の事だと信じてしまうなど、比喩や冗談の理解の難しさがあります。
・限られた興味と反復的行動:特定の物事に強い興味を示し、その興味に対して強いこだわりを持つことがよくあります。
また、同じ動作や行動を繰り返すことも見られます。
これらの症状は、個々に異なる形で現れることが多く、診断には専門家による評価が必要です。

3. 自閉症スペクトラムの子どもとのコミュニケーションのポイント
自閉症スペクトラムの子どもとのコミュニケーションには以下のポイントを押さえると効果的です。
・ 明確で具体的な言葉を使う:抽象的な表現や比喩は避け、具体的でわかりやすい言葉を使いましょう。
指示や説明も一度の説明で伝えず、指示を区切って簡潔にまとめて伝えるなど具体的に伝えると、理解しやすくなります。
・ 視覚的なサポートを使う:言葉だけでなく、絵や写真、図表などの視覚的なサポートを使うことで、理解を助けることができます。
視覚的な手がかりは、自閉症スペクトラムの子どもにとって特に有効です。
・落ち着いた環境で話す:周囲の刺激が少ない、静かで落ち着いた環境で話すようにしましょう。
環境の影響を最小限にすることで、子どもが話に集中しやすくなります。
また、話始める前に肩を叩く等して注目を向けてから声掛けをすることで、聞いてから実行に繋がりやすいです。
・予測可能なパターンを作る:その日することの流れをイラストや写真など、子どもの理解度に応じて視覚化しスケジュール化しながら見通しを持たせることで、子どもは安心してコミュニケーションをとることができます。
日常のスケジュールや話すタイミングを決めておくと良いでしょう。
・絵カードなどで視覚情報を与える:音声で聞く指示よりも、目で見て得られる情報の方がわかりやすいと感じる子どもも少なくありません。
ことばでの指示に添えて、絵カードなどを提示することで話や指示が理解しやすくなります。
これらのポイントを意識することで、コミュニケーションが円滑になり、理解しやすくなります。

4. まとめ
自閉症スペクトラムの特徴や症状を知り、専門的な支援や家庭でのサポートを組み合わせることで、子どもにとって最適な支援が可能となります。
双方の適切な支援が、子どもたちの言葉の発達を支えます。
