ABA(応用行動分析)
改善したい行動の前後を分析してアプローチすることで、問題を解決する方法です。
1. 応用行動分析(ABA)とは?
応用行動分析(以下、ABA)は、行動の前後に着目して望ましい行動を強化し、望ましくない行動を減少させることです。
例えば、「授業中に立ち歩く」と言う行動に対して直接制止するのではなく、立ち上がる「前」や「後」に介入して問題を解決するというものです。
ABAは自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害を持つ子どもたちの支援において広く用いられていますが、言葉の発達支援にも非常に効果的です。
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2. ABAの基本的なSTEP
応用行動分析の基本的なステップ
行動の観察: 最初に変えたい行動(望ましくない行動)や増やしたい行動(望ましい行動)を観察します。
(例:友だちが作っている積み木を崩してしまう)
データの収集: その行動がどのくらいの頻度で起こるか、どんなときに起こるかを記録します。
原因の分析:その行動が起こる前後の状況を分析し、なぜその行動が起きるのかを考えます。
(例:友だちが遊んでいるのを自分も見て使いたくなった。
)
戦略の立案: 行動を変えるための具体的な方法や計画を立てます。
基本的には望ましい行動をしたときに強化(その行動の結果、「褒める」などの報酬が得られる状態)、望ましくない行動をしたときには消去(その行動の結果、何も反応や報酬が得られない状態)といった対応を行い、子ども自身が適切な行動を学習できるようにフィードバックしていきます。
(例:積み木を崩しても回収されて使えない状態にして、行動の切替を待つ。
難しい場合は「積み木貸して」や「一緒に遊ぼう」と適切に要求するモデルを示して望ましい行動へ促す。
等)
実行と評価: 立てた計画を実行し、その結果を評価します。
必要に応じて計画を見直します。

3. ABAの言葉の支援での活用方法
応用行動分析(ABA)は、子どもの言葉の発達に非常に効果的なアプローチです。
「適切な言葉が使えたら要求を叶える」「伝えたいことがあるときにはこの言葉を使うとルール決めをしておく」と言うように、子どもの言葉の使い方や発音に合わせてABAの技法を用いることで、子どものコミュニケーション能力を向上させることができます。
これにより、子どもが言葉を使って自信を持って表現できるようになります。

4. まとめ
ABAは家庭でも取り入れられる考え方ですが、まずは専門家への相談をお勧めします。
行動を分析し、作成したプランをもとに、学校や療育施設、家庭など子どもの生活する環境で一貫した支援を行うことが行動改善への近道となります。
言葉の発達に気になることがあれば、ウォルトのことばアカデミーで言語聴覚士にぜひご相談ください。
