忘れ物が多い小学生への対策|原因と今日からできるサポート方法を言語聴覚士が解説w
小学生になってから忘れ物が増えた…と悩んでいませんか?忘れ物が多くなる原因と、発達段階や特性に配慮した具体的な対策を、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
1. はじめに
小学生になると、教科書や文房具、宿題など、持ち物が一気に増えます。「忘れ物が多い」と悩む保護者様も多いのではないでしょうか。実際の支援の現場でも、小学生になってから覚える量が増えてきたことで、忘れ者の多さが困り感で相談を受けるケースをよく聞きます。忘れ物が続くと、お子さん自身も注意を受けて自信を無くすことがあります。そこで今回は、お子さんの忘れ物が多い原因やその対策について解説します。
2. なぜ忘れ物が多いのか?原因を探ろう
忘れ物が多い原因として、一概に「不注意」や「性格の問題」だけではありません。実は様々な要因が絡んでいます。
①発達段階における未熟さ
小学校低学年の子どもたちは、まだ時間を管理する力や頭の中で計画を立てる力が十分に発達していません。
そのため、持ち物の準備が後回しになり、忘れ物につながることがあります。
②注意力の分散
小学校になると時間割制になり、科目ごとに準備するものや移動教室等、時間ごとに場面が変わることがあります。注意・注目する場面が複雑になることで、忘れ物をしやすくなることがあります。
③時間に余裕がない
持ち物を覚えていたとしても、朝学校へ行く準備しているときに慌てていてランドセルに入れ忘れているという場合もあります。
朝慌ててしまうのには、「朝起きるのが苦手」「学校までが遠くて朝早く出なければならない」「そもそも前日に準備するのを忘れてしまう」といったことが考えられます。
④発達特性が影響している場合も
ADHD(注意欠如・多動症)などの発達特性があるお子さんは、特に忘れ物が多くなる傾向があります。この場合、対策が少し異なる場合もあります。
3. 忘れ物が多い子どもへの具体的な対策方法
忘れ物を完全にゼロにすることは難しいですが、工夫や生活の一部を少し変えていくだけで忘れ物を大きく減らすことは可能です。
以下に、実際に支援でお子様と取り組んだり、保護者様にお伝えしている対策についてお伝えします。
①持ち物を把握する
そもそも持っていくものがわからないという場合があります。週報の読み方が分からない・文章を読んで読み取る力が苦手なお子さんもいるため、メモを取ることやプリントを保護者と一緒に確認するという方法があります。
メモを取る場合は「いつ」「何を」持っていくかを書いておくことが大事です。プリントの内容があいまいな場合は、「家に帰ったら保護者と一緒に確認する」といった対策もあります。支援の現場では、読解課題にてプリントを通じて必要なものに〇をつける課題やメモを取る練習を行うことで、持ち物の把握に繋げています。
②ツールを活用する
持っていくものを把握していても、覚える量に限りがあり、忘れてしまうことがあります。その際には、ツールなどを活用して忘れないための対策を行っていきましょう。
よく使われるものとしては「付箋」「TODOリスト」「リマインダーアプリ」などがあります。
「付箋」はどこにでも貼っておけるという特徴を生かし、玄関に「体操服と給食袋を持ったか」といったように必ず目にする場所に貼って忘れ物を防止するために使用します。付箋で書く際には、単語のみにするなど、文にせずに箇条書きにすることで、覚えるタスクの整理にも繋がります。
「TODOリスト」は持ち物をリスト化し、ランドセルやバッグに入れたらその項目にチェックをつけていくという形で使用します。先述に上げたように、頭の中だけで情報を処理することはとても難しいものです。入れたかどうを視覚化されることで抜け漏れ防止に役立ちます。支援の現場では、アプリの活用だけでなく、活動前の支度場面にて、リストを設けてチェックするとで学校での準備練習に繋げています。
「リマインダーアプリ」は、設定した時間にアラームとともにメモが表示される機能があり、毎日準備する時間に鳴るように登録したり、数日先の持ち物を忘れないように登録しておくといった使い方をします。「準備は前日のうちにしておく」「○○をしたら準備の時間」など、準備する時間を固定化するために親子でルール化しておき、その時間になったらリマインダーで知らせることも大切です。
③整理整頓をする
「うちの子片付けができないんですよね…」「物の管理が難しくて…」こういったお悩みも忘れ物の原因になりやすいです。物の場所がわからなくなると忘れ物にもつながるため、日頃から整理整頓を習慣化していくことも対策の一つです。整理整頓をするうえで大切なのは「片付ける場所を明確にする」ことと「タイミングを決めておく」ことです。まず、片付ける場所は「何をしまう場所か目立つ文字で書いておく」「教科書は赤いボックスなど、色で分かるようにしておく」など視覚的にわかりやすくすると、片付ける際に間違える可能性を下げることができます。また、タイミングも「学校から帰宅したら、まず片付ける」「物を使い終わったら別のものをとる前に戻す」とルールを決めておくと、抜けもれを少なくすることにつながります。
④忘れ物をしたときの対応を考えておく
どのようにに対策をしても、忘れ物をすることはあると思います。そういったときのために、忘れ物をしたときの対応もあらかじめ決めておくといいでしょう。忘れ物に気づいたときは、なるべく早く担任の先生に伝えることが大事です。しかし、怒られるかもしれないと考えて言い出しづらい子どももいるでしょう。なので、「誰に」「どういった言葉で」言うかといったことを決めておくと、伝えやすくなります。学校ごとに忘れ物をした際のルールが決まっていることもあるので、そちらも確認した上で対応方法を考えていくといいでしょう。対応が独り歩きしないようにお子さんにも対応を伝えることで、忘れ物をしてしまったときの不安要素を少し減らしてあげることができます。
4. まとめ
忘れ物についてのお悩みは支援の現場でも多く相談を受けます。忘れ物が多いことでお子さん自身も困り感を持っているため、理由を言語化しながら、それに合った対策を立てていくことが大事です。とはいえ、忘れ物自体は大人も含めて誰にでもあることなので、完全になくそうと思わずに「減らしていく」という観点で対策を考えていき、お子様自身が対策を実行できるようにしていくといいかと思います。
ウォルトのことばアカデミーでは、言語聴覚士が一人ひとりの特性や状況をお聞きしながら、お子様に合った支援を提案していきます。「この関わり方で合っているのかな?」「他にできることはあるかな?」と感じたときは、それが相談のサインです。お子さんとご家族に合ったペースを一緒に見つけていけるよう、どうぞ気軽に扉をノックしてみてください。