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療育に通っているのに効果が感じられない…見直したい3つのポイント|言語聴覚士が解説

療育に通っているのに「変化がない」と感じたことはありませんか?療育の効果を感じにくい理由と、見直すべきポイントを言語聴覚士が解説。お子さんに合った支援を見つけるヒントをお伝えします。

1. はじめに

「子どものために療育を始めたのに、思うように変化が見られない…」「このまま続けて本当に意味があるの?」こうしたお悩みを抱えて療育を受け続けている方も多いのではないでしょうか。確かに、療育は短期間で劇的な変化を期待するものではありません。しかし、適切な環境や支援が得られていなければ、十分な効果を感じにくいのも事実です。そこで今回は療育の効果が感じにくい理由や療育を見直すポイントについてご紹介したいと思います。

2. 療育の効果が感じにくい原因

私自身、現場を重ねながら「療育」という言葉が広く認知され始め、事業所数が着実に増えて、利用することに対してのハードルが少しずつ低くなってきたことで、必要なお子さんが受けられるようになってきたと感じる反面、お子さんに合った事業所を探すことの難しさも痛感します。また、事業所を見つけて同じ事業所を長く続けても効果が感じられない場合、現在の療育方法や環境が適していない可能性があります。以下のような理由で、療育の効果を感じにくくなっていることが考えられます。

①お子さんの特性に合っていないプログラムを受けている
療育には様々なアプローチ方法があります。たとえば、
・ことばの発達を促す方法(言語聴覚療法)⇒発語が遅いお子さん向け
・感覚統合療法⇒感覚過敏・鈍麻のあるお子さん向け
・行動療法⇒ルールや社会性を学ぶことが必要なお子さん向け

しかし、お子さんの特性に合わない内容を続けても思うような成長が見込めないことがあります。
上記アプローチだけでなく、集団場面が苦手なお子さんに対して初めから大人数の活動ばかりの施設や活動プログラムを行っても逆にストレスを感じてしまうこともあります。

② 施設の療育方針とご家庭の考えが合っていない
・個別療育を希望しているのに、集団活動がメインの施設だった
・スモールステップで支援したいのに、施設のカリキュラムが合わない
・親が関与するプログラムを希望しているのに、報告がほとんどない

こうしたミスマッチがあると、「やっていることに意味があるの?」と疑問を感じてしまうことがあります。私たちの支援現場では、そういったミスマッチが起きないように定期的にモニタリング・面談を通じてお子様の現在位置をお伝えすると共に、ご家庭・お子様自身の考え・発達段階に寄り添えるように支援を行っています。

③療育の進捗について、十分なフィードバックがない
「子どもが療育でどんな成長をしているのか?」
「どんな支援が今後必要なのか?」
これらの情報が保護者様に十分に伝わらなければ、「変化がない」と感じてしまいます。
施設によっては、ご家庭との面談や支援記録をしっかりと提供するところもありますが、報告が少ない施設では、子どもの成長を実感しづらいものです。

◎確認ポイント
・お子さんの特性に合ったプログラムか見直す
・施設の方針と合っているか再確認する
・定期的なフィードバックがあるかチェックする

「通っている施設で子ども自身に合っているのか?」と疑問に感じたら一度、担当の相談支援専門員さんに話をして事業所と面談する事も選択肢の一つとしてあります。他の施設見学を検討する際にも、相談員の方が事業所の情報に詳しい事が多いため、お子さんの支援・変化に悩まれている時には一度相談されることをお勧めします。私自身も、見学に来たお子様が事業所に合ってないと感じた時は、担当相談員さんに相談をして別の事業所にご紹介するケースもありました。

3. 療育を見直すポイント

「このまま続けても大丈夫かな…」「他の施設の方が合っているかもしれない…」
療育を受ける中で、このような不安を感じることはありませんか?もし以下のようなサインが見られたら、療育の見直しを考えるタイミングかもしれません。

①お子さんが通うのを嫌がるようになった
療育に通い始めたばかりの頃は、新しい環境に慣れるまで時間がかかることもあります。しかし、何ヶ月経っても毎回行くのを嫌がる場合、療育の内容や施設の雰囲気が合っていない可能性があります。

・療育の時間が苦痛になっている
・特定の先生やお友だちとの関係が負担になっている
・活動内容が難しすぎたり、合わなかったりしている

療育は「楽しく学ぶ場」であるべきなので、お子さんがストレスを感じ続けるようなら、一度事業所の方に相談してみるのもいいと思います。

② 施設とのコミュニケーションがうまくいかない
・療育の内容や進捗について、保護者への説明が少ない
・お子さんの変化について質問しても、納得のいく答えが得られない
・施設の対応が一方的で、相談しづらい雰囲気がある

このような状況では、療育の効果が出にくいだけでなく、保護者としての不安も大きくなってしまいます。
施設と十分にコミュニケーションが取れないと、お子さんに合った支援ができているかどうかの確認も難しくなります。

◎ 乗り換えを考えるポイント
・お子さんが楽しく通えているか?
・成長の変化を実感できているか?
・施設としっかり連携が取れているか?

今の療育に不安を感じるなら、別の施設の見学や相談をしてみるのも方法の一つです。

4. まとめ

今回は、療育の効果が感じにくい理由や療育を見直すポイントについてご紹介していきました。私自身支援の現場にいる中でも見学・面談時のご相談で受けることが多いトピックですが、ご家庭にとって一つめの一歩は誰かに相談することです。お子さんのペースは、決して誰かと比べる必要のない、大切な歩みです。うまくいかない日があっても、それは「ダメだから」ではなく、「今のやり方や環境が合っていないだけ」かもしれません。ウォルトのことばアカデミーでは、言語聴覚士が一人ひとりの特性や状況をお聞きしながら、「お子様に合った支援策」を一緒に整理していきます。「この関わり方で合っているのかな?」「他にできることはあるかな?」と感じたときは、それが相談のサインです。お子さんとご家族に合ったペースを一緒に見つけていけるよう、どうぞ気軽に扉をノックしてみてください。