Column コラム

言語聴覚士が教える|子どもが集中できる絵本の読み聞かせ5つのコツ

絵本の読み聞かせで「すぐ飽きてしまう」「どう声かけすればいい?」と悩んでいませんか?言語聴覚士が現場で実践している、子どもが集中しやすくなる読み聞かせ5つのコツをわかりやすく解説します。

1. はじめに

「読み聞かせが発達にいいのは聞くけど、すぐ飽きてしまう…」「どんな声掛けしながら読んだらいいの?」とご家庭からこんなご意見を頂く事があります。確かに、絵本を読み始めたのに、すぐ立ち上がる。ストーリーを読む前にページをめくってしまうことありますよね。でも実は、ちょっとした工夫で、絵本がぐっとお子さんに届きやすくなるんです。今回は私も実際に支援で実践している「読み聞かせのコツ」についてご紹介します。

2. 読み聞かせのコツ5選

①絵本の選び方:始めの絵本は短くてテンポの良い絵本を選ぶ
私は、集団療育の集まり場面で、必ず読み聞かせの時間を設けてます。その中で集中が続きにくい、または発達段階がゆっくりなお子さんには長編絵本は逆効果。そのため、まずは同じものを一緒に見れる機会が増えるように、1~2分で読めるような絵本を選ぶことをお勧めします。ストーリーがシンプルで、繰り返しが多くリズム感のある作品や色味がはっきりしている作品は特におすすめです。

例:「じゃあじゃあびりびり」「だるまさん」シリーズ「がたんごとんがたんごとん」等

②感情を込めてテンポよく読む
抑揚のない平板な読み方は、お子さんにとってただの音になってしまいます。お子さんがことばを理解するのは文字や単語を提示するだけでなく、声の抑揚やイントネーションからも理解がしやすいとされています。絵本のキャラクターになりきって声を変えてみたり、文字の大小に合わせて声を大きくするだけでもぐっと引き込まれます。少し大げさなくらいがちょうどいいです。

③子どもに参加してもらう
読み手だけが話続けてしまう「一方通行」の読み聞かせより、子どもさんも参加型の形にすることで興味関心がぐっと拡がっていきます。
月齢に合わせて、
・ページをめくってもらう
・イラストを見せながら「この動物、なんて鳴くかな?」
・イラストを見せながら「だるまさんの…?」と答えを促す

といった言葉かけをすることで、クイズ・ゲーム形式になり、「遊び」と感じて読み聞かせをもっと楽しむことができます。徐々に読み聞かせに慣れてクイズ形式にする際には、「誰が・どこで・なにを」と言った疑問詞を用いて、初めは単語で答えられる質問にしながら、質問応答の成功体験をたくさん積むことでことばのやりとりの芽も育むことができます。

④途中で終わってもOKにする
よく支援の中でもありがちなのですが、最後まで読まないといけないと思うがゆえについ早口になってしまったり、お子さんの集中が切れたままになっていることがあります。「最後まで読まないとダメ」と思い込む必要はありません。集中が切れたら、途中でやめても大丈夫です。「ちょっとだけ読めたね、○○のところ面白かったね」と絵本を一緒に読んで感じる体験の方がずっと大切です。無理に読ませるより、また読みたいと思わせることが次に繋がります。

⑤絵本の高さを子どもの目線に合わせる
読み聞かせの時、絵本の位置にも気を付けてみてください。絵本が高すぎたり、角度が合っていないと、子どもさんにとってとても見づらく、集中がきれやすくなってしまいます。床に座って読むときは、絵本を子どもさんの目線と同じくらいの高さ・角度に合わせてあげましょう。お子さんの視力や注目や注意を向ける力は大人に比べてゆっくりな部分も多いため、視線がブレずに安定することで、気持ちも落ち着き、集中しやすくなります。

3. まとめ

今回は、読み聞かせのコツについてご紹介しました。私自身が読み聞かせの中で大切にしていることは、読み聞かせは学びではなく遊びに近いものにするということです。子どもにとって絵本は大人と一緒に楽しむコミュニケーションツールです。そのため、集中が最後まで続かなくても楽しめていれば100点だと思います。
寒い季節になり、お家時間も増えてくるかと思いますので、今日紹介したコツをぜひ1つでも試してみてください。
ウォルトのことばアカデミーでは、言語聴覚士が一人ひとりの特性や状況をお聞きしながら、お子様に合った支援を提案していきます。「この関わり方で合っているのかな?」「他にできることはあるかな?」と感じたときは、それが相談のサインです。お子さんとご家族に合ったペースを一緒に見つけていけるよう、どうぞ気軽に扉をノックしてみてください。